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ー本領域の内容ー

 

本領域は東アジア発の新しい学問としての「和解学」を世界に向けて発信するべく、計画班を分析の焦点となる研究対象に即して編成した。

政治・外交班と市民運動班らでは、冷戦下に作られた政府間和解ともいうべき国交正常化枠組みが、どのように問題を封印していたのかが問われる。他方、市民運動班では、そうした封印が冷戦後になっていかに不安定化したのか、異議申し立てがいかなる「正義」観念の下に展開されてきたのかが問題とされる。

次に、表象や言説が分析の焦点となるのが歴史家ネットワーク班と、和解文化・記憶班である。

この二つの班は、1990年代以降の冷戦終結を受けた民主化とグローバル化に対応した歴史問題をめぐる新しい試みに焦点を当て、なぜそれが機能不全を起こしたのかを検証するチームである。前者では政府間で合意された歴史共同研究事業が、後者では映画・ドラマ等の共同制作の興隆と衰退が、その焦点となる。

実践と表象レベルを結んで、東アジア固有の歴史的文化的特性を背景として、国民感情と一体となった「正義」のあり方を、総合的に探るのが、思想・理論班である。

総括班は、以上のような知見に基づく研究成果を国際的に発信しつつ、和解の想像を可能とせしめる、強靭な国際的連携の構築に当たる。

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