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ー期待される成果と意義ー

 

最大の成果は、和解を想像せしめる必要条件ともいうべき知的インフラの構築である。具体的には概念・理論と、それを踏まえた情報、および人的ネットワークの時の構築である。具体的には、概念・理論と、それを踏まえた情報、および人的ネットワークの構築である。総合的な視点から、和解を想像し得る社会的条件と、それを支える価値規範を理論的に探求し、実証・事例研究の部分は、世界の歴史紛争一般と東アジアの歴史問題についてのウェブ歴史辞典、『世界紛争歴史事典(仮)』として整備し公開される予定である。また研究成果は、英語の叢書、Reconciliation Studies’ series(仮)としてまとめ、日本語においても分かりやすい実践的な『和解学』教科書を発行する。

 

公募班の研究成果は、こうした総合的な研究成果の一部となることが期待される。

こうした英語・日本語での業績発信を可能としてくれるのが、和解学創成のための強靭な国内・国際ネットワークである。その核として、まず、早稲田大学内に和解学関連研究所を創設し、スーパーグローバル大学支援事業による教員招聘と大学院生教育プログラムの充実と連携させながら、早稲田大学大学院の副専攻として「和解学専攻」を設置する。また、キャンパスアジアプログラムとも連動させて、和解学による交流を実践しフィードバックを得ながら、実践的な場で和解学創成に取り組みたい。

また、様々な学問分野に分かれた研究環境を越え核となる学会組織の整備にも努力していきたい。学問的な意義としては、日本初の学問を世界的に発信し得る可能性が第一に挙げられる。今後の世界が、より一層、ナショナリズムの悪循環に落ちいていくとすれば植民地責任追及の手は、いずれ、西欧諸国にも伸びていくことであろう。その際に和解学の知見は、大いに発展性を有する研究成果として、新たな応用が期待される。そうした世界に通用する学問の世界的発信こそ和解学創成の大いなる成果である。

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